サッカーアジア杯日本代表総括




ご承知のように韓国にも敗れて4位という結果に終わりました…(;´Д`)








今回の4位という結果を受けて、世間ではオシム使えん!」「口だけじゃねぇか!このヤロー!」「進化どころか後退してるんじゃないか!」というような批判があるのは事実ですね。(まだ、メディアはそれほど叩いていないようですが)


過去2大会連続で優勝という結果を残してきた実績からすると上記の批判は真っ当に聞こえますが、私は強がりではなく「この結果はかえって良かったのかもしれない」と思います。(むちゃくちゃ悔しいのは事実ですが…)


前回、ジーコジャパンが優勝した際には、1カ月という準備期間がありましたが、今回は満足な準備期間が与えられないという逆境もありました。また、前回の優勝は反日暴動が吹き荒れる中国の地で我々を熱狂させてはくれましたが、冷静に振り返ってみると、神がかり的な川口のファインセーブなどもあって多分に「運が良かった」という気もします。


いずれにしても、ハードな気候や強行日程、レフェリーのレベルなどアジアでの戦いは想像以上にいつも過酷で、日本代表の現在の力では圧倒的に勝てるほど甘いものではないということですね。



トルシエの規律を求めるサッカーから選手の自由と自主性に委ねたジーコへ、そして悪夢のようなワールドカップの敗退を契機にオシムという監督を迎え、「日本のサッカーを“日本化する”」というスローガンの下に、スピードを武器に豊富な運動量と選手間の連動性を求めるサッカーを志向しワンステップ上がろうとしている過程です。

今回の4位という結果は、「何が足りなかったのか」を考えるいいキッカケになったと思いたい。
強化の目標はあくまでワールドカップ予選の突破と本大会での好成績であり、強化の途中で性急に結果を求め監督の首をすげ替えるのは混乱を生じさせるだけではないかと思います。我々ももう少し長い目で日本サッカーの将来を見据えていくことが必要でしょう。


と、ここまでオシムを擁護してきた私ですが、同時に今回の大会で感じた不満や課題も指摘しておきたいと思います。(正直結構ムカついてるからね…)



1.選手層が薄すぎる・采配が硬直化

今大会では最後まで主力選手の起用にこだわり、結果的に連戦の疲れが原因と思われる苦戦を強いられました。バックアップメンバーとのレベルに差がありすぎたのかイマイチ不明ですが、選手層の薄さという点では不満が残りました。また、オシムの采配も、選手交代の決断が遅れ気味で切るカードもパターン化していたように思います。(個人的には水野や太田といったフレッシュな選手にもっとチャンスを与えてほしかったが…)


2.フィニッシュに持ち込めない攻撃

バックライン−中盤とパスはつながりボールポゼッションは高いものの、フィニッシュになかなか持ち込めない。特に、オーストラリア戦や韓国戦では相手の退場によって1人多い状況にもかかわらずゴールをあげることができず不満が残る。


3.パサーばかりではダメ。個の力が足りない?


前述のフィニッシュに持ち込めないと関連があるが、ペナルティエリア付近での強引な突破やミドルシュートなど個人の能力でゴールを狙う積極的な姿勢に欠け、ゴール前でパスの出し所をシーンが続出しイライラが募る…。田中達也のようなFWが入ればなぁと思った。



4.セットプレーでの失点が多すぎる


阿部・中澤のセンターバックコンビは全般を通じてよくがんばっていたと思うが(阿部は本来のポジションではなくよくやったが、なぜ坪井を全然使わなかったのかわからん)、相手セットプレーで失点するケースが目立ち、対策が急務。



5.試合運びのまずさ

攻めながらも相手に先制点を与えてしまい、苦しい展開を余儀なくされた。ボールを支配し攻める→でも先制できない→反撃され少ないチャンスで失点→先制されてようやく目覚め追いつくというパターンは見飽きた。




最後に余談


オシムの独特の喋りやメディアへの対応は好き嫌いがハッキリ分かれるでしょうが、私は結構好きです。


日本のスポーツメディアは「アホか!しょうもないこと聞くな!」というような低レベルの質問を平気で行い見ていて不快になることが多い。(代表例は、野球のヒーローインタビューで決勝打を打った選手に必ず聞く質問「あの時はどんな気持ちでバッターボックスに入りましたか?」ってやつですよ…


このアジアカップで試合以外で最も印象に残ったのが、カタール戦で予想外の引き分けに終わった直後のインタビューで、興奮冷めやらぬオシムがくだらん質問したアナウンサーに「宿題忘れてきた子供を叱り飛ばすような」感じで答えていたシーンです。


どんな試合であっても結果に大騒ぎするメディアに対してオシム流の警告・啓発あるいはパフォーマンスなのかも知れませんが、未熟な日本のスポーツジャーナリズムもオシムという一風変わった取材相手を通じて少しは進歩してほしいとボクは思います。





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