台湾・李登輝前総統、靖国神社を参拝



日本軍兵士として戦死され靖国に祀られているお兄さんの冥福を祈るための参拝
参拝できてよかったですね。


まぁ、例によって中共は一応不快感を表明してますが…





【読売】「ようやく兄の冥福を祈ることが…」李氏が靖国参拝の感懐


台湾の李登輝前総統は7日、都内のホテルで「二〇〇七年とその後の世界情勢」と題して講演、終了後の質疑応答で、兄の慰霊のため靖国神社を参拝した感懐を改めて語った。

李氏は参拝について、「残り少ない一生だけど、ようやく兄の冥福(めいふく)を祈ることができ、やるべきことをやったという気持ち」と感慨を語った。

また「私の父は12年前、98歳で亡くなったが、死ぬまで兄の戦死を信じなかった。そのため、兄の位牌(いはい)もなければ、墓もなかった」と、これまで兄の慰霊ができなかった事情を説明。靖国神社に対しては、「自分ができなかった慰霊を、靖国はやってきてくれた」と謝意を表明した

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20070607ic28.htm




【産経】「目くじらは時代錯誤」 李登輝氏の靖国参拝で町村元外相


自民党町村信孝前外相は7日、台湾の李登輝前総統の靖国神社参拝について、都内で記者団に「一私人たる方の行動であり、目くじらを立てる方が時代錯誤ではないか」との認識を示した。

中国政府が日本への不満を表明したことには「そもそも日本政府の許可で李氏の行動がすべて決まっているわけではない」と指摘した

自民党中川昭一政調会長は党本部で「何が問題なのか。(李氏の)お兄さまが祭られているところに行きたいとの気持ちを大事にして、そっとしてあげたい」と強調した。


http://www.sankei.co.jp/seiji/seisaku/070607/ssk070607006.htm




【東京】李登輝前総統が靖国参拝 『兄に会いに来た』


来日中の李登輝・台湾前総統(84)は七日午前、日本軍人として第二次世界大戦で戦没した実兄が祭られている靖国神社(東京都千代田区)を参拝した。A級戦犯も祭られる靖国神社について中国は、大陸侵略を正当化するものとして批判してきており、中国が「台湾独立派の代表」とみなす李氏の参拝は、日中間の新たな火種になる可能性をはらんでいる。

李氏は午前十時すぎに靖国神社に到着、本殿に昇殿し参拝した。境内には報道陣や日台の関係者ら計百人以上が集まったが、李氏は参拝後の質問などには答えなかった。

参拝に先立って都内のホテルで記者会見した李氏は「兄に会いに来ることは私にとって当然であり個人的なこと。政治的なものではない」と涙ながらに心情を語った。

李氏の実兄、李登欽氏は日本海軍の軍人として大戦中の一九四五年、フィリピン戦線で没し「岩里武則」の日本名で靖国神社に祭られている。李氏は靖国参拝を希望、一方、靖国側も昨年訪台した南部利昭宮司が、李氏に面会し参拝を直接要請したという経緯がある。

先月三十日、李氏は日本に向かう機中で「最後の日本訪問になるかもしれない。六十年以上も兄貴に会いに行かないのは人情として弟として忍びない」と話していた。

関係者によると当初、李氏を招いた国際教養大学中嶋嶺雄学長が参拝に難色を示したが、最終的には了承したという


http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2007060702022401.html

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イヤーよくぞ参拝していただいた…まったく頭の下がる思いです。




上記3社の新聞記事で東京新聞の書きっぷりが「あーやっぱりね…」という感じなんだが、追い討ちをかけるように以下のようなニュースも伝えています。


◆中国、日本に不満表明 李氏の靖国参拝を批判

中国外務省の姜瑜副報道局長は7日の定例記者会見で、台湾の李登輝前総統の靖国神社参拝に関し「日本が李氏の訪日を許したことに、あらためて強い不満を表明する」と述べ、今後の日中関係について「日本が台湾と歴史の問題を適切に処理できるかどうかにかかっている」と強くけん制した。

李氏に対しても「日本国内での行動を見れば、何を期待しているか分かる」と批判。靖国参拝は台湾独立への支持獲得に向けた政治的行動との見方を示唆した。

国営通信の新華社も、李氏について「日本軍国主義思想に染まった民族のくず」と非難、「靖国参拝で、台湾独立勢力の醜悪な姿をさらけ出した」と指摘した

しかし中国は、李氏の訪日や靖国参拝を日中間の外交日程には影響させない考えとみられ、姜副局長は、ドイツでの主要国(G8)首脳会議(ハイリゲンダム・サミット)に合わせて8日に開く日中首脳会談が予定通り行われるとの見通しを明らかにした

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2007060701000699.html




さっそく中共様のお怒りを伝えてるつもりのようだ…┐(´∀`)┌




でもね、中共の態度を冷静に見ると、拳を振り上げるポーズを取っているだけで、本心ではこの問題を大きくしたくないんじゃないだろうか?本気で怒ってたら首脳会談なんかさっさとキャンセルしてるって。



国の威信を賭け更なる経済成長を狙う一大イベント・北京オリンピックを控えているが、最近聞こえてくる中国のニュースは、ダルフール大量虐殺の黙認、食品安全問題、知的財産権の侵害など国際的信用を損なうようなニュースばっかりで「中国ヤバイ観」の広がりに相当神経を尖らせているハズだ。


そんな中で日本との関係を決定的に損なうようなことは何としてでも避けたいってのがホンネなんだと思う。
この問題でヒステリックに大騒ぎして日本批判を繰り返せばどういうことになるか、小泉靖国参拝で相当懲りてるんだよ中共は…反日親中メディアは相変わらず空気読んでないようだけど)






そういえば、李登輝さんの来日関係では、阿比留瑠比さん(産経新聞記者)のブログ(国を憂い、われとわが身を甘やかすの記)に「なるほどなぁ」と思うことが掲載されていましたので、引用させていただきます。


(以下引用)http://abirur.iza.ne.jp/blog/


※前段略

6年前の4月に李氏が訪日したときは違いました。中国は大々的に日本を非難し、予定されていた政府高官の来日を次々と取りやめました。公明党は李氏訪日に反対していましたし、何より外務省の河野洋平外相とチャイナスクールの人たちが猛反対して首相官邸と対立していました。最終的には森首相が押し切ったのですが、当時も官邸勤務だった私はドラマの一端を垣間見ることができました。

そこで本日は、当時の産経記事から李氏訪日までの流れと、そのときどきの動きが分かるものをピックアップして、短評を添えたいと思います。日本の対中外交の変化に関しては、小泉前首相の6回にわたる靖国神社参拝が果たした役割が大きいですが、小泉氏が首相になる直前に、森元首相が断行した李氏訪日もまた、対中外交の一つの転機だったと思うからです。
 


李登輝氏が訪日ビザ申請 政府「受理せず説得を」 現地事務所に指示
[ 2001年04月11日 東京朝刊 1面 ]


台北10日=矢島誠司】台湾の前総統、李登輝氏(七八)は十日正午(日本時間午後一時)前、代理人を通じて訪日のための入国査証(ビザ)申請書を交流協会台北事務所に提出した。日本での心臓の再検査が必要との専門医の意見などに基づき、当初の訪米後の帰途の訪日という計画を変更して訪米前の今月下旬に訪日したいと申し入れた。これに対し、日本の外務省から交流協会台北事務所に「受理せず、李登輝氏を説得せよ」と指示が出されたという。


…当時は外務省では中国語研修組であるチャイナスクールが幅をきかせていましたし、その政治力の後ろ盾として親中派が多かった自民党橋本派(現津島派)がありました。このころはまだ、田中角栄元首相の流れをくむ平成研の勢力は党内で圧倒的でしたね。現在は所属議員の数でも町村派に抜かれているわけですから、栄枯盛衰を感じないではいられません。

派閥の話はともかく、ここで問題なのは、外務省が首相官邸を通さずに勝手に李氏のビザ申請不受理の方針を示していることです。実は森元首相はこの前年に、中曽根、宮沢両氏ら首相経験者に「来年、李氏から訪日申請があったら、短期的に中国との関係が悪化するかもしれないが、受理したいと思う」と相談し、「それがいい」と賛同も得ていました。

それなのに、外務省の一役人が独自の判断で出先機関にこんな指示を出すのです。世間の政治家と官僚の関係のイメージはどうだか分かりませんが、役人はよほど政治家が監視していないと勝手なことを仕出かすという認識が、当時、私の頭にインプットされました。



(引用ここまで)


省略した後段にも、田中真紀子外相(当時)が中国の唐家せん外相との電話会談で李登輝・前台湾総統へのビザ(査証)発給を今後認めない考えを伝えてたとか、民主党田中真紀子を「外交オンチ」と非難してたとか、興味深いエピソードが掲載されていますので、未読の方は是非ご覧ください。



しかし、こうして6年前の醜いドタバタを振り返ると、今回の李登輝さんの靖国参拝は感慨深いものがあるし、この6年間で日本という国は着実にマトモな方向に進んでいるんだなと改めて思いましたね。





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