福田政権誕生で起こりそうなこと

考えるほどにイヤになってくる…





私は、安倍首相の辞任に端を発したこの自民党総裁選挙を白けた目で眺めている一人である。

福田氏と麻生氏の一騎打ちとなったが、永田町ではあっという間に福田支持の流れが加速し(反麻生の空気や勝ち馬に乗ろうという思いから)、選挙前から結果が既に見えている。

麻生氏は前回の総裁選にも出馬し、早くからポスト安倍として名乗りを上げていただけに、出馬を見送ることはできず、最初から「負け」を覚悟の戦いである。麻生陣営の至上命題は「善戦による名誉の敗戦」しかない。派閥単位の福田支持票を切り崩すことと地方票をできるだけ多く獲得し善戦してはじめて党内に存在感を残し「福田の次」を狙う可能性が残るからだ。

そういう意味では、麻生氏も必死なんだろうが結果のわかりきった戦いを見るのは何ともね…

興味は、予定どおり福田氏が総裁選に勝利した後の福田政権がどういう政策を行うかになってくるが、これが問題なんだよなァ…





福田氏は総裁選出馬に際して、「希望と安心の国づくり」と題した政権公約を発表しているが、内容は項目の羅列で具体性は乏しい。目を引くのは外交政策の中で「拉致問題の解決と朝鮮半島の非核化、東アジア共同体の実現を目指す」というのがサラリと挿入されていることだ。(もういい加減この東アジア共同体という悪夢のような構想は止めてほしいと思う)

(参考・ロイター)
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-27909920070916?feedType=RSS&feedName=topNews


福田氏の過去の言動や政治スタンスからすると安倍政権を「右に振れすぎていた」という思いを持っているのは確実であり、以下のような政策を実行するのではないか。


◆アジア(中国)重視の外交姿勢

福田氏は中国政府が期待する日本の有力政治家ナンバー2だと言われている。(ナンバー1はあの売国奴河野洋平…)また、外務省チャイナスクールのよき理解者として外交畑を歩んできた政治家だ。

よって、安倍政権(麻生外相)が「自由と繁栄の弧」という名のもとに展開しようとしていた価値外交戦略(インド・オーストラリアなど価値観を共有できる国々との連携を重視する戦略)を見直し、「東アジア地域の平和と安定」などというお題目を唱え中国との協調を第一に考えるのは明白である。「協調」と言えば聞こえはいいが、要は「中国政府のご機嫌を損ねるようなことはしません」という従属と何ら変わりはないものになるような気がする。


靖国カードの完全復活、靖国神社に代わる国立の追悼施設建設へ前進

福田氏は既に自身の靖国参拝について「他国の嫌がることはやらない」と発言し、「中国・韓国が嫌がる(非難する)から参拝しないよ〜ん」と特亜に物わかりのいい人光線を全開にしている。せっかく、小泉前首相の靖国参拝で特亜の内政干渉への国民の不満が高まり外交カード無効化に成功したのに(安倍首相のあいまい戦略でずいぶん後退したけど)、これでは元の木阿弥である。

もともと、福田氏は小泉政権下の官房長官時代に諮問機関「追悼・平和祈念のための記念碑等施設の在り方を考える懇談会」を仕切っていた人物であり、国立追悼施設の建設を進めていくのではないか。


北朝鮮政策の見直し

福田氏は拉致問題について「私の手で解決する」と大見得を切っているようだが…

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(福田氏は官房長官当時の)○二年の小泉純一郎前首相の訪朝時。福田氏は拉致被害者の状況を伝えるため家族を別々に部屋に呼んだ。「みんな一緒の場でやって」。家族の蓮池透さんの母親が訴えると、福田氏は「黙って聞きなさい。あなた方の家族は生きているのだから」と制したという。

蓮池さんは翌年出版した著書でこのエピソードを明かし、福田氏が官房長官を辞任した時には「辞任歓迎」とのコメントを出した。

中国新聞より引用
http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200709150213.html

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当時から、福田氏は拉致被害者家族に冷淡な姿勢で反感を買っており、今週発売の週刊誌(文春)では金正日は誠実だ」などというトンデモないオフレコ発言まで伝えられている。

こういう姿勢の福田氏はどうやって拉致問題を解決するつもりなのか。

恐らく、「対話と圧力」から対話重視(対話オンリー)への政策転換を図る。具体的には万景峰号の入港禁止など日本政府が現在実行している制裁を解除することによって、北朝鮮を交渉テーブルに引き寄せ国交正常化交渉をエサに拉致被害者の帰国を迫るというシナリオなんだろうと思う。

でもね、こういう甘いシナリオが北朝鮮相手に通じるのか?
相手は、他人の遺骨を送りつけてまでウソをつこうとするような国なのだ。補償という名の金をちらつかせたとしてもまともな交渉など望めないと考えるのが普通である。

金正日が誠実」などという発言を聞くと、福田氏には「拉致問題は重大な主権侵害」だという認識が欠如しているものと言わざるを得ないし、福田氏の本心は「拉致被害者の多くは既に死亡している可能性が高く、北朝鮮が生存を認めた者だけ帰国させること」が拉致問題の解決だと判断しているのではないか。

この北朝鮮政策の転換は大きな汚点を残す可能性が極めて高いと思うが…


皇室典範の見直し再燃

福田氏は女系天皇の積極的容認論者のようで、悠仁親王の誕生で沈静化していた皇室典範の改正の動きが再燃する可能性もある。




福田政権の行く末予想は…?


安倍首相の例を見ればわかるように、この国のメディアは首相に就任すれば即座に血眼になってアラ捜しを行いネガティブキャンペーンを実行して叩きまくるのは目に見えている。


これを跳ね返すには、小泉前首相のような大衆を惹きつけるカリスマ性と開き直れる度胸が必要なのだが、福田氏には残念ながら度胸はわからんがカリスマ性は皆無である。政権発足当時はご祝儀もあってそれなりの支持率を与えられるかもしれないが…


そう言えば、早くも週刊誌(新潮)に以下のような記事が掲載されている模様。

◇まるで森政権!?やはり「密室」で総理を決めた「新5人組」 −野中・森・青木・福田・中川秀直氏の暗躍
http://news22.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1190261631/-100


政権誕生前に早くもケチをつけられる始末である…


もっとも、記事が事実であるならばメンバーの顔ぶれもやってることも自民党は先祖帰りした」と非難されても仕方のないもので、新政権の清新度はゼロである。(出航前にドロ舟確定ですな)


また、国会も衆参ねじれ現象の中厳しい運営を迫られることは必至であり、まして相手はどんな謀略を仕掛けてくるかわからない策士・小沢である。こちらも油断など全くできないと見るべきだろう。


私が感じる福田氏の印象は「官僚以上に官僚的」で冷静なイメージだが、ああ見えてなかなか短気なのではないかという気がする。


新政権が「目に見える成果」を早く示すことができないでいると、

→バッシング・支持率低下→ブチ切れて大失言をかまして進退窮まる…というような悪循環も想像できる。


そのような事態で衆議院の解散に追い込まれれば自民党惨敗→政界再編まで突入してしまうかも。(結果的にはその方がいいのかも知れませんが)


これから始まる(であろう)福田政権が後々になって無能眉毛こと村山内閣時代のように「暗黒の時代だった」と振り返らなくてもいいようにしてもらいたいという私の願いは杞憂に終わるのか?それとも…




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