何たる選挙戦(2)「醜聞・年金だけの争点は恥だ」


全面的に肯いてしまうんだよな…−y( ´Д`)。oO○






「今回の参院選は、日本が今後国際的にどんな役割を果たすべきか、安倍晋三首相が示したビジョンへの賛否が問われるべきだと思っていたら、一連のスキャンダルと年金制度の管理ミスだけが争点のようになってしまった。これはシェーム(恥)だと思う」
今の選挙のキャンペーンを「恥」という激しい言葉で評したのは、米国の若手日本研究学者マイケル・オースリン氏である。米国大手紙への7月上旬の寄稿だった。

エール大学の准教授から首都の主要シンクタンクAEIの日本政治・外交専門の研究員となり、2週間前にワシントンに居を移したばかりの同氏は30代後半だが、日本側でおなじみの米国の日本専門家たちに比べれば、ずっと若い。とはいえ日本とのかかわりは大学卒業後すぐに日本政府の外国語指導助手招請の「JETプログラム」に参加して、兵庫県で2年を過ごし、数年後にはフルブライト留学で東京へ。そのまた後に神戸大学での研究と、長く、深い。

そのオースリン氏をAEIに訪ね、改めて問うと、いかにもこの世代の日本研究者らしい知日度の高さと従来の枠からの脱却を思わせる解説がはね返ってきた。

「宮崎県に住む日本人の妻の両親とよく話すので、年金問題の重要性もよくわかります。しかし、米国のスカートの背後から足を踏み出すという意味の戦後レジーム(体制)からの脱却』を戦後生まれの若い安倍首相が唱えたいまの日本は、まさに歴史的な分岐点にあると思う。日米同盟をどうするか。中国の拡張にどう対応するか。憲法9条や防衛政策をどうするか。世界にどう貢献するか。今後の30年ほどの国の進路を決めるエキサイティングな時期でしょう。そんな時の国政選挙なのに醜聞と年金だけ、というのはあまりに残念という意味で『恥』と評したのです

ワシントンの戦略国際研究センター(CSIS)研究員でオースリン氏と同じ世代の日本の政治・安保の専門家ニック・セーチェーニ氏は「どの国の選挙でも主要な争点は国内問題になりがちですが」と前置きしながらも、「いまの日本は日米関係の在り方一つとっても、どんな政策が適切なのか、さらに国際的により大きな役割をどう果たすか、非常に重要な課題に直面しているのに、参院選では目先の問題にのみ込まれた観です」と、類似した失望をにじませた。

ただし、今後誰が首相になっても、そうした対外的な重要課題からは逃れられないだろうという。

米国のマスコミの参院選に対する関心もきわめて低い。大手紙誌で日本の今の選挙戦を詳しく報道や論評した記事はごく少数である。

その理由について、日本の安保政策などを長年研究してきた60代のベテラン学者、国防大学国家安全保障研究所のジム・プリシュタップ上級研究員は「選挙戦が、米国側でも関心の深い日本の長期の外交戦略、つまり北朝鮮核武装や中国の勢力拡大への対処法などを論じず、スキャンダルだけが大きく投射され、もっぱら安倍首相への信任投票となったからでしょう」とみる。

プリシュタップ氏はそして、安倍首相自身も憲法や安保という論題を、公明党の反応などに懸念して正面から後退させた一方、民主党も党内の政策見解一致がないために、安保や外交を論じたくないのだろうという考察を述べた。

この点、オースリン氏は次のように語る。

民主党も政権の獲得を真剣に考えるならば、世界における日本というビジョンを大きく描かねばならないが、代表の小沢一郎氏は『永遠の革命家』という感じです。いつも闘いを挑むけれども、自分自身がどんな政策を有しているのか、不明という意味です

一方、オースリン氏によれば、安倍氏は「より強い日本、より自信ある日本」を目標に、民主主義や市場経済を基盤とし、安保努力の増強や日米同盟の強化を目指すという点で、是非は別にしても、政策の方向は明確だという。

そうした政策目標は、これまた是非は別にして、日本という国家の在り方、そして日本国民の生き方の根幹にかかわる選択であろう。

だがその是非が少しも論じられない日本の参院選の現状を、オースリン氏は「恥」という言葉で率直に批判したのだった。(ワシントン 古森義久


ソース・Sankei WEB
http://www.sankei.co.jp/seiji/seikyoku/070725/skk070725000.htm

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本心を言うと、参議院選挙ネタはあんまり書きたくないんだけど…思わず頷いてしまった記事だったのでつい書いてしまいます。


このマイケル・オースリンさんの言う「恥」というのはなかなか強烈な批判だが、今の状況を考えると反論できないどころか、全面的に頷いてしまうんだよね。


年金も大事である。政治とカネの問題もしっかりしてもらわないといけない。



でもね、それだけが投票の選択肢なのか?それに民主党など野党が勝てば、


年金問題を解決してくれるの?

公務員の天下りはなくなるの?

生活が良くなるの?

外交もうまくいくの?



私は、個人的にはどれも「?」だと思うし、与党(自民・公明)以上に基本政策の違う党が集まったところで「いったい何ができるんだろう?」という疑念が強く残る。

それに、今回の選挙で野党が勝利しても所詮参議院の話であり、与党が安定多数を有する衆議院の構図が逆転しない限り、野党が政権を担うことはない。(もちろん自民党が大敗したら安部降ろしなど政局になってしまうが…)


「扇情的に政権の失策ばかりを煽るメディア」と「揚げ足取ることに熱心で、耳障りはいいけど具体性に乏しい政策しか言わない野党」の主張ばかりをこう見せられると、「恥」と批判されても仕方がないくらいこの国(国民)の政治に対する意識は低いのではないかと思えてくる。




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