前略、金正日総書記 「黎明」あなたの決断次第


Σ(・∀・|||)ゲッ!! 毎日のキモすぎる記事





特集ワイド:前略、金正日総書記 「黎明」あなたの決断次第−−芸術公演鑑賞の裏で

 ◇米朝国交正常化、後継者デビュー

 ◇「拉致解決済み」一点張りでは…

もはやあなたは日本を相手にせずの腹づもりですね。ハノイでの宋日昊(ソンイルホ)日朝国交正常化担当大使の冷淡な口ぶりが引っかかりました。ニューヨークで金桂冠(キムゲグァン)外務次官がミュージカルまで楽しんで、米朝蜜月を演出したのと好対照でしたから。

先の6カ国協議の合意を受けての日朝、米朝両作業部会のさなか、あなたは平壌で芸術公演を鑑賞していました。タイトルは「わが国の青い空」。7日の朝鮮中央通信によれば、党や軍幹部らを伴って、それはそれはご満悦だったとか。この「わが国の青い空」、貴国ではだれもが知る歌だそうですね。なにせ労働新聞(04年11月28日)1面にでかでかと楽譜を添えて掲載され、平壌でうわさになったいわく付きの歌と聞きました。

タンポポの花咲く故郷の丘/白いたこあげ遊びをしたあのころ/無邪気に見上げた青い空/ああ、なぜにそれが祖国のほこりだと知らなかったか……

不思議なことに将軍さまを礼賛する歌ではありません。なんとも牧歌的です。そもそもは1986年につくられ、広く愛唱されていたというのですが、平壌の歌謡全集をひもといても確認できません。労働新聞への掲載のタイミングは、愛妻、高英姫(コヨンヒ)夫人の死亡説が流れたすぐあとです。うわさのなかには、夫人の好きだった歌ではなかったか、というのもありました。

あなたは軍事優先の「先軍政治」とともに「音楽政治」を提唱していますね。平壌で出たキム・ドゥイル著「将軍さまの音楽政治と音楽性」(文学芸術出版社)に見つけました。<私は歌を重視しています。それは歌にわが党の政治が反映されていて、人々を闘争へと立ち上がらせる武器と同じためです>。そして、あなたがこの「わが国の青い空」にいかに入れ込んでいるかを詳述しています。<祖国を永遠に先軍の銃で守り抜くという私の信念と意地が、そのまま反映されているからです>

      ■

さて、この芸術公演はわざわざ「黎明(れいめい)編」と銘打っていました。近ごろ、この「黎明」なる言葉が貴国メディアに盛んに登場します。新年の共同社説にもありました。いったい、どんな「夜明け」が来るというのでしょう? 70年代、対南工作が華やかなりしころも使っていましたね。あなたはそれをも知っているからこそ、この公演に足を運び、称賛したはずです。おぼろげながら見えてきました。

こんな日朝関係筋の声を聞きました。「水面下での対米交渉はすでにおおむね決着をみていて、早ければ秋にも朝鮮戦争の休戦協定を平和協定にする方向で動いています。ライス国務長官が訪朝し、アリラン祭典のマスゲームを見るシーンすら考えられます。テポドン2号の発射と核実験の裏では『もうひとつの朝鮮戦争』ともいえる、すさまじい交渉があったのです。平壌は悲願の連邦制での統一をも視野に入れているでしょう」

紆余(うよ)曲折はあるにせよ、米朝は国交正常化まで突き進む、とこの関係筋は語るのです。「通常ペースでいけば、正常化までは互いの首都に連絡事務所を置き、さらに5年ほどかかるのですが、それが待てない。後継者問題を抱えていますから。くだんの芸術公演の真のプロデューサーは、先軍政治をたたえる後継者と考えるべきです。平壌は対米戦争の勝利の祝砲と、後継者デビューのファンファーレを同時に鳴り響かせるかもしれません。うまくいけば、まさしく新時代の『黎明』でしょう」

      ■

そんなバラ色のドラマが隠されているのかどうか。たしかに予兆がないではありません。労働新聞(2月20日)に目を引く記事がありました。「白頭山不夜城」なる政論、執筆者はソン・ミラン(宋美蘭)論説委員。かねてあなたがひいきにしてきた女性記者、後継者の存在をにおわせる記事には必ずといっていいほど彼女の署名がありますね。熟読させてもらいました。気になったのは次のくだり。

白頭山将軍星、白頭光明星白頭山陽光があふれた朝鮮の幸福、将軍に恵まれる幸福のなかで年々歳々、繁栄する朝鮮の大幸運が今日も白頭山から流れている>。白頭山は革命の聖地で、「将軍星」は父上の金日成主席、「光明星」はあなた。なら、「陽光」は? 記事にはこうもありました。<白頭山将軍の血筋にそって流れる民族の新たな春の機運……>。素直に読めば、これは世襲の3代目ですよ。

平壌放送を傍受しているラヂオプレスの入念なチェックによれば、この「陽光」は過去に一度、用いられています。あなたが還暦を迎えた02年2月の放送です。この年、愛妻を「尊敬するオモニム(お母さま)」と称する偶像化キャンペーンを張りましたね。なぜかすぐに消えましたが。小泉純一郎前首相が平壌に飛び、初の日朝首脳会談が実現した年でもありました。重大な決断をしたのでしょう。

それにしても、です。拉致問題の「解決済み」一点張りはいただけません。たとえ、あなたのシナリオ通り、米朝雪解けとなったとしても、日朝を放っておいて貴国の経済を立て直すわけにいかないのですから。おわかりのはずです。平壌の内情に明るい在日商工人は言っていました。「将軍は裏切られた思いだったんです。小泉さんの態度を見限り、側近らにこぼしたそうです。ナムジャガアニダ(男じゃない)と。この一言がある限り、動きません」

まさか、あなたがそんなメンツにのみこだわるとも思えませんが、担当大使の不誠実な交渉姿勢から推し量るに、かたくなな将軍さまの顔色をうかがっている気配がありありと感じられます。要は、あなたの決断さえあれば、拉致問題は解決し、日朝も動くはずです。それなくして「黎明」が訪れるでしょうか? でなければ、あなただって「ナムジャガアニダ」でしょ。

      ■

ところで、平等であるはずの貴国で、格差が社会問題化している、と耳にしました。貧富の差です。食糧難にあえぐ庶民がいるかと思えば、外貨ショップでブランドもののバッグや高級時計が即日、売り切れるというのですから驚きです。最近、日本製乗用車の使用禁止を命じたのも、マイカーを金持ちの象徴とみなしての措置とか。民心が離れては「わが国の青い空」どころじゃなくなりますから。まだまだご心労が絶えないようです。ご自愛ください。

 草々

編集委員鈴木琢磨


ソース・MSN-Mainichi INTERACTIVE
http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/asia/northkorea/archive/news/2007/03/14/20070314dde012030028000c.html


___________________________________________________________



本人はウケを狙ってるつもりなのかもしれないが、このへりくだった文体、金正日のことを「将軍さま」と呼び、「日朝関係筋の声」という怪しげな情報を披露したりというこのセンスはキモすぎると思う。






クリックして応援してね♪ 人気blogランキングへ